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練習メニューの考え方。一歩先ゆくプランニングを身に付けるための5つのポイントとは。

Jimmy
Jimmy

フットボール解説員のJimmyです。
今回は「プランニング」についてポイントを紹介しますね。

<span class="fz-12px">お父さんコーチ</span>
お父さんコーチ

プ、プランニング、、、!?
なんか難しそうですね。

Jimmy
Jimmy

少し複雑に見えますが整理すれば大丈夫です!
まずは見よう見まねでやってみてください♪

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プランニングとは

語意となるのは、計画を立てること、企画立案を意味する。

日頃の生活においてもビジネスにおいても”計画”は重要である。行き当たりバッタリになると常に即興性、適応性が求められ、エラーが多く出る可能性があり質を低下させる恐れがある。
それを事前に計画的・段階的に準備をしていることで1つ1つの質を高めることに繋がる。

フットボールにおけるプランニングも同様であり、自身が担当するチーム・選手に対してシーズンを1タームとすると、その中でどのような時期にどのような内容で何を目的としてトレーニングを重ね、どういった状態にシーズンが終わった際になっているのかを計画することが重要です。

バルセロナ体育大学 教授のパコ・セイルーロ氏はプランニングについて以下のように定義しています。

コーチングスタッフによって、トレーニングするべき1つ1つのテーマを包括的に描写、予見、組織される。
理論的に設計された「予測」の集合体である。
これらの予測は、クラブに所属する選手たちの年代に適した形で実行される。
プランニングは、定められたトレーニングテーマを分析・修正し、管理することを可能にする。シーズン中に要求される結果達成のため、選手のトップパフォーマンスを引き出す適切なトレーニングプロセスを獲得することが目的となる。


パコ・セイルーロ

つまり、プランニングは予測の集合体であり、分析・修正・管理を行うことで選手の最大限のパフォーマンス引き出すための理論である。

ではフットボールにおけるプランニングを身に付けるための押さえておくべき5つポイントを紹介します。

期分け

ピリオダイゼーション(期分け)という言葉を聞いたことがあるだろうか。
最近、あらゆる分野のトレーニング理論で現れてくる言葉である。
この説明に関しては割愛させていただくが、個人的には、その中でマクロサイクル・メゾサイクル・ミクロサイクルと3つのサイクルに分けている。
※カタカナ表記した時の発音は諸説ある。

>マクロサイクル(6ヶ月〜1年間)
シーズンにおける年間計画。1年間のトレーニングを計画する。
シーズン終了時にどのような状態にありたいか。コンペティション(大会)の年間スケジュールが確定した際に構築し始める。

>メゾサイクル(1週間〜2ヶ月)
個人的には1ヶ月のサイクルとして活用している。
即ちメゾサイクルを12回積み重ねるとマクロサイクルとなる。
マクロサイクルからの逆算でメゾサイクルの内容を構築する。

>ミクロサイクル(1週間〜6週間)
個人的には1週間のサイクルとして活用している。
これもメゾサイクル同様に4回積み重ねるとメゾサイクルとなる。
メゾサイクルからの逆算でマクロサイクルの内容を構築する。

これら3つの期分けは、各指導者が決めるもので自チームにおける最適化を図ることが望ましい。

そして、そこに掛け合わせるのがオフシーズン・プレシーズン・インシーズンの3つである。

>オフシーズン(公式戦が開催されない時期)
シーズンを戦う体作り、チームのベースとなる組織作りなどが主な目的となる。

>プレシーズン(公式戦が始まる1〜2ヶ月前の時期)
長いシーズンが始まる最後の調整期間。より試合を意識した取り組みへ移行していく。

>インシーズン(公式戦が開幕し終了までの時期)
チームが勝利すること、成果を出すことに注力する時期。プレシーズンで積み上げたものの精度を高めていく。

3つのサイクルに3つのシーズンを掛け合わせることでプランニングの内容が構築されることになります。

要するにトレーニングは”やりたいことをやる”、”思いついたことをやる”ということではないということが理解できれば良いと思います。

その時期、シーズンにおいて計画された最適なトレーニングを実践していくことが重要ということです。

目標設定

それでは各サイクルで計画された内容をトレーニングに落とし込んでいきます。
トレーニングを行う上で、その目標を定めないといけません。
個人的にはその目標を6つ定めています。

① ゴールを奪う  ② 前進する  ③ 保持する
  ④ ゴールを守る  ⑤ 妨害する  ⑥ ボールを奪う

サッカー、フットサルのライセンス保有者であれば一度は目にしたことがあるだろう。
フットボールにおけるプレー原則として必ず出てくる6項目である。
これをその日のトレーニングの目標として定めることが必要であると考えています。

例えば、
チームが攻撃的なフットボールを目指すのであれば、①ゴールを奪うという目標が設定されたトレーニングの頻度が多くなるでしょう。それを3つのサイクルと3つのシーズンでどこで設定していくかを計画していくという流れになります。

テーマ

その日のトレーニングにはテーマがなくてはなりません。
選手が何を意識して何のためにトレーニングを行なっているかを理解することが必要です。

個人的には、

攻撃技術テーマ・・・10つ / 攻撃戦術テーマ・・・8つ
守備技術テーマ・・・2つ  / 守備戦術テーマ・・・6つ

に整理しています。
これに加えて”ボールなし”の技術テーマも設けています。
カテゴリーによってはトレーニングの割合が少なく、マクロサイクルでも計画されないテーマも存在します。

このあたりの詳細は機会があれば今後紹介していきます。

4局面

フットボールの構造として4つの局面があることを理解しなければプランニングにおけるトレーニングの質が下がってします。

4つの局面とは、

定位置攻撃 / トランジション守備 / 定位置守備 / トランジション攻撃

と考えられています。

簡単に説明すると、

>定位置攻撃
整った状態での攻撃。システム攻撃。

>トランジション守備
攻撃からボールを奪われて守備へ移行する。数的不利、組織が整っていない数的同数など。

>定位置守備
整った状態での守備。システム守備。

>トランジション攻撃
守備からボールを奪い攻撃へ移行する。数的有利、相手組織が整っていない数的同数など。

テーマに紐づいて、この4局面におけるどの場面でのトレーニングになるかを明確にしておく必要がある。

場所

コートにおけるどの場所でのシチュエーションかを明確にしておくこと。
実際どの場所で発揮する技術なのか、戦術なのかを選手が理解することが重要なである。

、、、場所の理解が入った技術発揮は既に戦術なのではないかという議論は後日しましょう。笑

ゾーン

ゾーンはコートを横に割った区画になります。個人的には3ゾーンで考えています。
サッカーで言うアタッキングサード、ミドルサード、ディフェンディングサードと表現されるものです。

フットサルコートを20m×40mとすると、1つのゾーンは約13m×20mとなります。
このサイズはトレーニングにも意図的に落とし込むことがあります。
どのゾーンを想定したトレーニングなのかを定めることでより内容が明確になります。

レーン

レーンはコートを縦に割った区画になります。個人的には5レーンで考えています。
センターレーン、サイドレーン×2、ハーフレーン×2となります。

レーンは5分割してますが、センターレーンは5mとしており、ハーフレーン、サイドレーンは3.5〜4mとしています。
3レーンで考えることも当然できますが、指導を進めていくと特に1種(社会人)カテゴリーでは、ハーフレーンにポジショニングを取らせることが多くなってくるので5レーンで考えています。

先に述べたゾーンとレーンの考え方で「今、どこにいて何を発揮すべきか」をトレーニングにおいてしっかり提示することが重要と言えます。

具体性

テーマ設定にあたり、最終的に具体性を持つことが重要です。
4局面におけるどの場面で、場所はどこで、どのような状況の時に発揮する技術、戦術なのか。

例えば、

テーマ:シュート
定位置攻撃において、アタッキングサード・センターレーンでの、相手を背負った状態からの反転シュートを利用してゴールを奪う。

と具体的にすることで選手への理解度を活性化させます。
注意しないといけないのはそのテーマのみをトレーニングするのではなく、フットボールの原理原則に沿って指導することを忘れてはいけません。

テーマがシュートの場合、
どこからでも構わずとにかくシュートを打てばいいのか?
前を向いているのにわざわざ相手に背を向けて反転シュートを狙わないといけないのか?

そうではないはずです。
そこをしっかり理解した中でプランニングに基づき指導できると良いでしょう。

コーチングストーリー

自分の指導にもストーリーが無くてはいけません。
コーチング手法は主に3つあります。

 シンクロ  ② フリーズ  ③ ミーティング

このコーチング手法にはメリット・デメリットがあることを理解して使い分けることが重要です。

>シンクロ
選手に伝えるべき現象が起きた時、選手の動きを止めずにコーチングを行う指導方法。
ポジティブな声かけや意識性を保つ声かけにより選手の高いモチベーションを保つ。

メリット
・高いモチベーションの維持。
・運動量の確保。

デメリット
・言われている選手はわかりやすいが、他の選手はわかりにくい。


>フリーズ
現象が起きた際に選手のプレーを止めてある時点での場面を切り取り再現した中でコーチングを行う指導方法。

メリット
・当人だけでなく、他の選手にもわかりやすい。
・「観る・聴く・行う」に同時にアプローチできる。

デメリット
・トレーニングの流れを止めてしまう。集中を切ってしまう。
・改善のために同じ選手を何度も止めると心理的ストレスがかかってしまう。


>ミーティング
選手をある一定の場所に集めて意見交換・コーチングを行う指導方法。

メリット
・共通理解が得やすい。

デメリット
・ボードや説明だけだとイメージが湧きにくい。

この基本的な3つのコーチング手法をトレーニングのどの場面で活用するかを事前に構成しておきます。

例えば、

ウォーミングアップ ー トレーニング① ー トレーニング② ー ゲーム

という流れがあるときに、ウォーミングアップは心身ともに準備をしないといけないので、流れを止めないために”シンクロ”で指導する。

トレーニング①は、その日のトレーニングのベースとなる部分なので、”フリーズ”を入れてしっかり共通認識を持たせる。

トレーニング②ではモチベーションを保ちながらゲームに繋げるため改善を端的に行いたいので、”シンクロ”を中心に最小限の”フリーズ”を入れる。

そして、ゲーム前に”ミーティング”でトレーニングの振り返りとリマインドを行う。

最後のゲームではどうしても改善しなくてはならないポイントのみ”フリーズ”を行い、それ以外は”シンクロ”で意識性を保つ。


というようなイメージでプランニングに落とし込むと良いと思います。

トレーニングが終わった時の選手にこうあってほしいという状態に近づけるため、コーチング手法をどのように活用するかストーリーを描くことで質は高まります。

そこまで落とし込んでおくとトレーニングが終わった際にそのトレーニングをフィードバックするのに評価しやすくなります。

趣旨

趣旨の意味としては、ある事を行うにあたっての、もとにある考えや主な狙いのことです。
つまりプランニングされたトレーニングメニューの主な狙いが何かを定めないといけません。

個人的に整理しているトレーニングの狙いは、3つあります。

一つずつ説明させていただきます。

 獲得  ② 改善  ③ 向上

獲得

選手が新しいことを得る内容のもの。
今まで引き出しとして持っていないもので、初めて学ぶものがこれにあたる。
低学年になればなるほど、「獲得」の要素が強くなる。

向上

「獲得」で得た新しい引き出しを高めていくもの。
反復を繰り返し、一つ一つの質を高め、より効果的なものとしていく。

改善

試合における課題を抽出し、その課題に対して取り組むもの。
課題を克服するために行うもの。

この3つの狙いを持って、トレーニングのプランニングを行う。それはシーズンの時期や習熟度によって割合は異なるでしょう。

最後に

<span class="fz-12px">お父さんコーチ</span>
お父さんコーチ

1つの練習メニューを考えるのに、とても様々な要素が入っているんですね。

Jimmy
Jimmy

幅広くお伝えしましたが、全部やろうとするのではなく、
まずは1つずつチャレンジしてみてください♪

プランニングをまとめると以下のようになります。

プランニングの5つのポイント

①期分け ②目標設定 ③テーマ ④コーチングストーリー ⑤趣旨 

少しずつ意識すれば自然とトレーニングの質が高まるはずです。
そして、自身が行ったプランニングを実施した後には必ずフィードバックをするようにしましょう。
そこでの気付きが、自身の成長に繋がり、更なるトレーニングの質向上に繋がります。

日頃、その場でメニューを考えてしまっている人がもしいたら是非、参考にしてみてください。


以上、お読みいただきありがとうございました。

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