フットサル監督には様々なタイプがある。
チームに関わる全てのことに関して知識を持っていなければならない。
今回は、5つの視点から監督のタイプを分けていきます。
フットサルの試合中にどこにフォーカスして指導するか。
もちろん試合展開により指導するポイントは異なるものですが、全般的な傾向としてフォーカスする視点に偏りがあるものです。
自分も5つの視点で大事にしている部分があります。
ご自身ではどうか参考にしてもらえればと思います。
1️⃣ フットサル監督のタイプがわかる
2️⃣ 監督に求められるスキルがわかる
5つの視点
監督がフォーカスする視点として5つ挙げられる。
試合中どこにフォーカスする傾向が強いかで特徴づけられる。
前提として、理想は全ての視点において必要なときに指導すべきであるが傾向として偏りが出ることで、監督の個性として捉えることができる。
技術
トップカテゴリーに近づけば近づくほど、技術指導の割合は少なくなる。
それは当然トップカテゴリーに近づけば近づくほど技術は長けているからである。
よって、育成年代に多くなる傾向が強いです。
ただし、技術に意識を向けることはどこのカテゴリーでも行われている。
・ボールを止めず、しっかりファーストタッチからアタックしよう。
・シュートはゴレイロの首より上を狙おう。
・そのために足首を固めてトゥーキックを活用しよう。
・パスを悟られないように体の向きで駆け引きしよう。
監督自身が選手時代に技術的に長けていた場合に経験値から指導する割合が強くなる傾向もある。
こういった内容の割合が多くなることが技術にフォーカスした指導と捉えています。
戦術
フットサルでは競技特性上、監督に求められる視点です。
全カテゴリーで割合は多くなる傾向があります。
・攻守におけるシステムの選定
・個人、グループ、チームにおける秩序
・いつ・どこで・何を行うのかの提示
当たり前のことのように聞こえますが、案外触れる割合が少ない指導者の方もいるのでないでしょうか。
何故ならば、戦術的指導をする場合、攻守において幅広く試合を把握することが必要であり、高い分析スキルが求められるからである。
こういった内容の割合が多くなることが戦術にフォーカスした指導と捉えています。
フィジカル
試合中に身体的な要素について指導するものとなります。
メンタルに紐付くことが多いです。
・個人、グループ、チームにおける運動量
・球際の強度
・トランジションにおけるスピード
こういった内容の割合が多くなることがフィジカルにフォーカスした指導と捉えています。
メンタル
試合中に精神的な要素について指導するものとなります。
勝負における選手の心理的な部分に触れることを重要視している監督は割合が多くなります。
・勝っている際のチーム、選手の心理(自チーム、相手チームの双方)
・負けている際のチーム、選手の心理(自チーム、相手チームの双方)
・成功が続くときの心理
・ミスが続くときの心理
・リスクを恐れてチャレンジできないときの心理
例えば、
ミスをしてしまって失点した場合、ミスをした選手の心理をどう捉えるか。
ゴールを奪った選手はどのような心理でプレーしているか。
審判にストレスを感じている選手たちはどのような心理であるか。
そのような心理をコントロール(指導)することです。
こういった内容の割合が多くなることがメンタルにフォーカスした指導と捉えています。
マネジメント
試合中にチームがより良い状態となるようにあらゆるものを管理し指導するものです。
戦術に紐付くことが多いです。
・出場時間
・スタッツ整理
・選手間コミュニケーションの創出
・専門コーチとの接点強化
あらゆる試合に起きている情報を整理して選手に落とし込む。
前半の出場時間での疲労度や選手としての肌感覚を確認して後半の参考値としたり、個人のシュート数、ボールロスト数、ボール奪取数などを把握して選手の意識づけや戦術変更の根拠とする。
また、選手間のコミュニケーションの場を意図的に創出したり、ゴレイロコーチ、テクニカルコーチ(アシスタントコーチ)などと選手の接点を生み出し、専門コーチからの見解を受けることができるようにする。
こういった内容の割合が多くなることがマネジメントにフォーカスした指導と捉えています。
監督の種類
5つの視点を5段階で表現することで監督の種類を3つに分けてみます。
合計20点を振り分けてみました。
策士
技術: 5
戦術: 5
フィジカル: 3
メンタル: 3
マネジメント:4
コート内の事象に対して、技術・戦術視点にフォーカスして指導する。
自チームと相手チームの噛み合わせを観る。
双方のストロングポイントとウィークポイントを把握し、戦術的変更を施す。
技術的なエラーに対して気づき・意識を向けさせる。
セットごとに目的を持たせる。
的確なタイミングでのタイムアウトを活用する。
策を巧み施しあの手この手を仕掛けることに長けている指導者である。
情熱家
技術: 4
戦術: 3
フィジカル: 5
メンタル: 5
マネジメント:3
選手、スタッフに対して常に熱量を注入することにフォーカスして指導する。
勝負に対する強い意志を持たせる。
1対1の局面において勝ることを要求する。
良いプレーに対して鼓舞することを徹底する。
選手の気持ちをポジティブに傾ける。
コート内とベンチの熱量を均等にできる。
戦うことに関して妥協を許さない指導者である。
管理者
技術: 3
戦術: 4
フィジカル: 4
メンタル: 4
マネジメント:5
試合中に自身が行うだけでなく選手、スタッフを活用してチームが最善となることをフォーカスして指導する。
ゴレイロコーチとゴレイロの接点を十分に持たせる。
テクニカルコーチとフィールドプレーヤーの接点を十分に持たせる。
選手間のコミュニケーションを活性化させる。
極力精神的なストレス(不安、プレッシャー)が無い環境を作り出す。
チームがより良い状態となることを作り出す指導者。
監督に求められるスキル
監督にはそれぞれの個性があります。
自身が大切に思うことに偏る傾向が出ることは必然でしょう。
それを個性と捉えながらも言い訳にしてはいけません。
今回は5つの視点を挙げました。
他にも多数の視点があるでしょう。今回の5つの視点はどれも指導者として欠かせないものです。
だからこそ指導者として求められるのは全ての視点です。
20点で表現しましたが、本来25点満点でなくてはなりません。
技術: 5
戦術: 5
フィジカル: 5
メンタル: 5
マネジメント:5
これは一見パーフェクトに見れるものの特徴がない、個性がないこととも捉われます。
しかし、個性がないのではなく、高度な特徴なき指導者こそ全てパーフェクトに行える個性なのです。
最後に
指導者も選手同様、個性があり特徴があります。
ただし、指導者は選手と異なり適性な力を発揮する”ポジション”というものがありません。
だから、個性が出ることで指導者としてのポジションを確立しているようにも感じます。
しかし、選手のように複数人でお互いを補填し合う関係ではなく、監督は一人しかいません。
つまり、全てパーフェクトでなくてはならないということになるわけです。
監督はパーフェクトを求められるもののパーフェクトに遂行できることはないでしょう。
監督はゴールなき探求をし続ける立場ということです。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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