現役時代、第一線でプレーしていた指導者も多いことと思います。
そのような方が育成年代の指導をしていると選手に混ざり一緒にプレーすることもあるかと思います。
その際のメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
1️⃣ 選手と共にプレーするメリットがわかる
2️⃣ 選手と共にプレーするデメリットがわかる
3️⃣ 用途による使い分けができる
少年
コーチと一緒にプレーするのちょっと緊張する。
そういう選手もいるよね。
指導者と一緒にプレーするメリット・デメリットを整理してみましょう。
選手と共にプレーするメリット
指導者がプレーすることは育成年代で特に見受けられます。
ジュニア年代のスクールや、ジュニアユース年代のチームトレーニング、ときにはユース年代であっても若い指導者の方は共にプレーすることもあるでしょう。
そのときのメリットは3つあると考えています。
再現性が高まる
その日のトレーニングテーマを意図的に発揮することができます。
それを発揮することで、選手の意識性を高めたり、リアリティが高いものを見せることでイメージしやすくすることができます。
よって、コート内は再現性が高まり指導者が想定していたトレーニングに近づける効果があります。
ギャップの把握
実際にプレーすることで、客観的に見ているものと、体感することでのギャップを把握することができます。
例えば、
外から見ているプレス強度と実際の強度に乖離はないか。
外から見ているパススピードと実際に受けたときのパススピードの印象は同じか。
など主観的な視点と客観的な視点のギャップを把握することができます。
説得力が増す
選手が困難を抱えている問題を指導者がプレーで解決してしまうと、その言葉に説得力が増すことになります。
単純に指導者が選手より良いプレーができれば、選手から信頼は獲得できます。
また厳しいことを伝えたとしても、納得することでしょう。
言っていることができない指導者ではなく、言っていることを効果的に体現する指導者であることで説得力が増すわけです。
選手と共にプレーするデメリット
メリットがある反面、もちろんデメリットも理解しておく必要があります。
プレー時間を奪う
当然、一人分の選手の枠を指導者が奪うので、選手のプレー時間が単純に少なくなります。
選手の人数やスケジュール上、強度を落としたいセッションであれば、問題はありません。
指導者の欲求でプレーするのではなく、しっかりとチームマネジメントの一環としてプレーすることが求められます。
信頼の喪失
プレーをすることで、再現性高くプレーする場合は、信頼を獲得しますが、エラーが頻発に起こると信頼を失います。
プレーをするからにはエラーは極力減らさないといけません。
選手に”見せる”ということは手本であることが理想です。
見える範囲が限定的になる
自身がプレーするということは少なからず外から俯瞰して見てる状態よりも限定的になってしまう。
ボールを基準とした直接的な部分(オン)に関しては、逆に深みを持って見ることができるが、間接的な部分(オフ)に関しては見逃してしまうことも多くなる。
当然、ベンチでのコミュニケーションの内容や表情なども把握することは困難となる。
用途によって使い分ける
共にプレーすることに関して、メリット・デメリットがあることがわかったかと思います。
何を目的とするかによって、一緒にプレーするべきか、しないべきかを使い分ければと良いでしょう。
例えば、
✅ 新しい戦術を導入したばかりでイメージが湧かない場合は、実際にプレーして再現性を高めることで共通認識を持足せる
✅ 定期的に選手と共にプレーすることでディフェンスの強度がどのくらいか高まったか肌で感じて確かめる
など意図を持って取り組むことで効果は高まります。
大事なことは自身が「プレーしたいからプレーする」というエゴになってはいけないということです。
最後に
少年
コーチが一緒にプレーすることには意味があるんだね。
指導者が育成年代の選手と共にプレーすることの留意点としては、
U-12、U-15、U-18と年代が上がれば上がるほど、見る目はシビアになります。
つまり、一緒にプレーすることの効果がより薄れることになります。
自身のチームの選手たちの質と精神年齢も含めてどの年代まで効果があるか認識しておくべきでしょう。
個人的にはU-15まで効果を感じていますが、U-18以上は一緒にプレーすることでのメリットは薄まると考えています。
現役選手で指導されている方もいらっしゃるかと思いますが、選手心理も考慮した中で一緒にプレーしてみてください。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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