日本フットサルの現状
日本フットサルって今どのような状況なんだろう?
こんにちは!フットボール解説員のJimmyです!
日本フットサルについて、わかる範囲の中で紹介していきますね!
日本フットサルはまだまだ発展途上ではあります。
事を辿ると、2002年日韓W杯以降、国内にフットサル場が多く開業し、サッカーよりも手軽にプレーできるという印象を世間に与え、身近なスポーツとなっていった。
また、日本フットサルリーグ(Fリーグ)は、2007年に開幕し徐々に視認性は高まってきたように見える。
ところが、2014-2015シーズンをピークに観客動員数は4年連続で減少している。2019-2020シーズンもこのままいくと全体で5年連続で観客動員が減少することになりそうである。
「する」スポーツから「観る」スポーツへの移行がスムーズにいっていない印象は拭えない。
エンターテイメント事業において、観客動員数は何よりも重要な数字とも言える。ここが伸び悩んでいるのが現代の日本フットサルを象徴しているように感じます。
ジュニアユースの現状
サッカーに比べるとまだまだ発展途上であるフットサル。
しかし、近年「フットサル」はサッカーにおける育成ツールとしては大変効果的と評価されるようになってきた。
特にU-12〜U-15年代で経験することが、中学生、高校生でサッカーをやる上でメリットに働くことが大きいと言われている。
世界の有名選手たちがフットサルを経てサッカーに進んでいるケースが多く、注目されるようになってきたことは言うまでもない。
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チーム数
ジュニアユース(U-15)年代のフットサル登録チームを調べてみた。
フットサルチーム数 3種
2017年度 | 2018年度 | 増減 | 増減率 |
156 | 162 | 6 | 3.8% |
全国での数字と捉えるとまだまだチーム数が少ない印象です。
筆者はジュニアユースチームである東急SレイエスFC フットサルU-15の立ち上げに関わり、2019年度より東急SレイエスFC フットサルU-15監督を務めている。
ジュニアユース年代の活性化が日本フットサル界に与える影響が大きいと捉え、環境改善も含め日々奔走している。
現状、全国的にもっとフットサルを専門に取り組むチームが増えるべきであると捉えています。
選手登録者数
では登録されているフットサルチームに在籍している選手はどれほどいるのだろうか。
ここに登録されている選手たちが将来、フットサルを活性化していくためのキーマンになってくると捉えています。
フットサル選手登録数 3種
2017年度 | 2018年度 | 増減 | 増減率 |
2,191 | 2,341 | 150 | 6.8% |
チーム数も増えている分、選手も増えています。
ここから割り出すと1チーム平均14,4名。
これはフットサルの公式ルールに則れば試合におけるメンバー登録14名と考えると適しているように思う。しかし、U-15で14,4名ということは3学年合わせてとなるので1学年5名も満たない状況ということになります。
やはりもっとフットサルに興味を持つ選手を増やし、登録数が増えないと競争意識など本来競技者として持つべきマインドが薄れる環境にあると感じています。
今後の発展のポイントはこの年代の登録数だと認識しています。
まだまだチームも選手も少ない状況なんですね。
そうなんですよ。
でも徐々にではありますが、前進している部分もあるんですよ!
次は東京都をモデルケースとしてジュニアユース年代の状況を紹介します!
モデルケース:東京都
全国2位のフットサルチーム数と選手登録数を抱える東京都。
ちなみに1位北海道、3位神奈川県です。
1種(社会人)では実質5部構成となる東京都リーグを運営するほどチーム数を抱えている。
全日本選手権東京都予選は1回戦から数えると10回戦目が決勝戦となるくらいチーム数も多く熾烈である。
ではジュニアユース年代の実態はどのようになっているのでしょうか。
コンペティション
育成年代で一番重要な競技環境。要は試合経験の場はいかなる頻度でいかなる内容なのか。
リーグ戦
現在、東京都U-15フットサルリーグは2部構成3リーグ制となっています。
1部と2部とレベル分けされており、2部は東地区、西地区に分かれている。合計21クラブ28チームが参戦しているリーグ戦になる。
サッカー界から見るととても少ないように見えるが年々活気を見せ、徐々にチーム数も増えてきている。Fリーグ下部組織はもちろんのこと、フットサル専門クラブも出てきており、非常にレベルの高いリーグ戦となってきている。
また、競技環境もミズノフットサルプラザ味の素スタジアム、フィスコアレナとしまえん、SUMIDA FUTSAL ARENA、フットサルステージ多摩センターなどインドア環境も整えている。
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チーム数が増え、各施設の協力もあり、フットサルという競技に対して全力で取り組める環境になりつつある。
またU-13、U-14の選手たちがU-15リーグに参戦することで、上の学年にチャレンジするクラブもあり、育成視点ではとても意味のあるリーグになっているように感じる。
年間通じてのリーグ戦、インドアの経験、プレイングタイムの経験などフットサルの醍醐味と言える体験をU-15年代で多く積み上げることが重要であり、それを徐々に整えている印象があります。
今後、このリーグでプレーしたFリーガーが多く輩出される事を願っていますし、おそらく自然とそういった選手が増えてくるだろうと思います。
カップ戦
現在、東京都U-15が例年行なっているカップ戦が2つあります。
①全日本U-15フットサル選手権
②東京都ユース(U-15)フットサルフェスティバル
規模も30チーム以上となり、サッカークラブが参加することもできるためリーグ戦よりもチーム数が増える。
選手たちもこちらのカップ戦に対してのモチベーションも非常に高く、毎年熱戦が展開される。
こちらも会場は、駒沢体育館、エスフォルタアリーナ八王子、フィスコアレナとしまえんなどを利用し、インドア環境をしっかり整えている。
東京都の所属クラブは、年間通じてリーグ戦、カップ戦が整っており、また時期によっては各地域で行われるフェスティバル、またはクラブによっては海外遠征なども含め、競技として高めることができているモデルケースだと感じています。
しかし、まだまだチーム数、登録者数は少ないのが現実です。
東京都のような地域が育成年代のフットサル界をリードしていっていただき、他県もそこからの刺激をもとに活性化していくことが望ましいと思います。
今、やるべきこと
Fリーグの観客動員が4年連続で減少しており、今季も減少傾向にあり、その流れは歯止めが効かない状態である。
Fリーグをどうするか?もっと露出を増やすべきでは?セントラル開催をもっと工夫しなくては?
あらゆる意見が飛び交っていますが、個人的にはジュニアユース年代を活性化させることがFリーグの未来に繋がっていると考えています。
いや、Fリーグのような憧れの場所が盛り上がらないと
そこを目指す選手は増えないでしょ?
と思う人が多いと思います。
果たして本当でしょうか?
自分は大学生でフットサルを始めました。当時、Fリーグなどありませんでした。
明確な目指すものは正直ありませんでした。日本代表もありましたがあまりにも現実からかけ離れた存在でした。
それでもフットサルに夢中になり、試合を観に行き、選手としてプレーをしてきました。
そして、今では指導者として生業にしています。
つまり、憧れの場所が無くとも夢中になれるスポーツだと考えています。
それだけフットサルには魅力が詰まっているわけです。だからこそ、ジュニアユースの選手たちにフットサルに夢中にさせることが大切だと考えています。
これが今、日本フットサル界がすべきことなのではないでしょうか。
なぜ、ジュニア(U-12)でもなく、ユース(U-18)でもなく、ジュニアユースなのか。
それは今の日本フットサルの競技者の入り口がジュニアユースだからです。
サッカーであればジュニア年代にチームに所属して(競技者となり)トレーニングを積み重ねていくのが王道です。
フットサルになると、サッカーとの両立を図るクラブはあれど、フットサルのみで運営するクラブは本当に少ないです。
そうすると専門的にフットサルを競技者として取り組む年代がジュニアユースだと感じています。
つまり、この競技者の入り口と言える年代をいかにフットサルに夢中にさせ、継続させ、選手として育成していけるかが、ユース、1種(社会人)の登録者数に紐付くのではないでしょうか。
それが後にFリーグで注目される選手となり、リーグの活性化、代表強化に繋がると考えています。
育成年代でフットサルに慣れ親しんだ選手は、大成しなくとも生涯スポーツとしてフットサルと付き合うことになるかもしれません。
個サル、草フットサル、試合観戦など。そういったことでフットサルに関わる人を増やすことで、フットサルを文化として発展させることができるのではないかと考えています。
今、ファンを増やすのか。
それとも未来を見据えて選手、サポーター、ファンとなっていく人たちを育成していくのか。
答えは両方であろう。
しかし、後者を怠ると永遠にフットサルの発展はないのかもしれない。
最後に
日本フットサル界におけるジュニアユース年代の重要性が理解いただけたでしょうか。
登録チーム、選手登録数はまだまだ少ないです。
フットサルは落ちるところまで落ちた、と表現される人もいます。
しかし、自分は「発展途上」であると表現します。
フットサルの魅力を知っている人は、まだ可能性があるスポーツだと感じているはずです。
東京都のようなモデルケースも出てきた事実もあります。
今やるべきことが、即効性あるものにするのか、未来を見据えるものにするのかという舵取りをしっかり切っていくことが今後問われるのだろうと思います。
自分自身もフットサルジュニアユース年代に関わる指導者として大きな責任を担っていると自負しております。
そんな自分に向けた著名人の言葉で最後締めくくらせていただきます。
「まずは自分を信じること。それさえできていれば、
そこからの生き方は、自ずと見えてくるはず」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツ/詩人)
以上、お読みいただきありがとうございました。
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