現在、JFA(日本サッカー協会)はサッカー、フットサルにおける指導者ライセンスを整備している。
そのライセンスが果たす役割とは何なのか。自身の経験も踏まえて紹介していきたと思う。
ライセンスの種類
日本フットボール(ここではサッカーとフットサルの総称)界のライセンス制度はどのようになっているのか。
そもそもライセンスとは、
免許。許可。承認。また、その書。
-引用元 コトバンクhttps://kotobank.jp/word/ライセンス-9576位み
意味するところとすれば指導者ライセンスは「指導するための免許」と捉えることができる。
ではライセンスが無いと指導できないのかというとある領域まではライセンスの効力はない。
ではこのライセンス制度を具体的にどのような構造になっているのでしょう。
引用元 http://www.jfa.jp/coach/official/training.html
構造としてはサッカー、GK、フットサルと3つに分かれている。
そのそれぞれのライセンスがどのような位置付けなのか簡単に確認していきたい。
※以下、JFAホームページ(http://www.jfa.jp)より抜粋。
サッカー
サッカーにおける指導者ライセンスは全部で6階層。
下から上に上がっていくに連れて指導対象の年齢が上がっていくイメージを持っていただければわかりやすいのではないかと思う。
キッズリーダー
フットボールとしての入り口。
U-10以下の選手を対象に、体を動かす楽しさを伝える指導者の養成を目指す。
ジュニアサッカークラブのお父さんコーチや小学生のお子様がいる保護者の方などが対象となる。
参加者の中には、高校生や大学生などもいて学んだことをキッズリーダーとして選手たちとの関わりに活用している。
毎年5000人以上が受講している。
概要 | 実技1.5時間、講義1.5時間と非常にコンパクトなカリキュラム構成になっており、誰もが楽しんで学べるコース。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
共催 | 都道府県サッカー協会 |
受講資格 | 受講年度の4月1日において、満15歳以上であること 地域においてスポーツ活動を実施している指導者および、これから指導者になろうとする者 |
定員 | 1コースあたり最大40名 |
受講料 | 受講料は主催団体が決定する |
カリキュラム | 【講義】1.5時間 【実技】1.5時間 |
年間登録料 | 3,000円 |
公認D級コーチ
グラスルーツで活動する指導者を養成するコースとなる。
お父さんコーチから脱却する意味では、受講すると指導者としての”自覚”や”責任”などを認識できる機会となるのではないでしょうか。
キッズリーダーの1日完結型と異なり2日間かけて講義、実技を受け学んでいく。
最後には筆記試験もある。
概要 | C級コーチ養成講習会の内容を2日間(合計9.5時間)に凝縮したカリキュラム構成になっている。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
共催 | 都道府県サッカー協会 |
受講資格 | 受講年度の4月1日において、満18歳以上であること 地域においてスポーツ活動を実施している指導者および、これから指導者になろうとする者 |
定員 | 1コースあたり最大40名 |
受講料 | 受講料は主催団体が決定する(JFA納付金1,000円、教材費などを含む) |
カリキュラム | 【講義】 発育発達、技術・戦術理論、指導者の役割など5時間 【実技】 ボールフィーリング、スモールサイドゲームなど4.5時間 |
年間登録料 | 3,000円 |
公認C級コーチ
日本フットボール界におけるライセンス制度の根幹と言えるもの。
指導者としての基礎となる部分が公認C級コーチのカリキュラムに詰まっている。
U-12年代を中心にサッカーの仕組みを知ることがベースとなる。
概要 | サッカーの本質、プレーの原則、発育発達などU-12年代の指導にフォーカスしたカリキュラム構成になっている。開催形式は通学型、合宿型など共催となる都道府県サッカー協会などにより異なる。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会、(公財)日本スポーツ協会 |
共催 | 都道府県サッカー協会 |
受講資格 | 受講年度の4月1日において、満18歳以上であること 地域においてスポーツ活動を実施している指導者および、これから指導者になろうとする者 |
定員 | 1コースあたり最大40名 |
受講料 | 受講料は主催団体が決定する(JFA納付金2,000円、教材費などを含む) |
カリキュラム | 【講義】 発育発達、技術・戦術理論、コーチング法、プランニングなど13時間 【実技】 ボールフィーリング、ゴールを奪う、シュートなど22時間 ※指導実践あり |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認指導員 |
AFC指導者 ライセンス 互換性 | AFC C-License |
年間登録料 | 5,000円 |
公認B級コーチ
C級コーチからさらにレベルアップを図ろうとする指導者のためのコース。
筆者は10年以上前に取得。当時と内容も多少異なっている印象。
U-16年代を中心にサッカーの理解を深める。
概要 | サッカーの全体像を理解し、基本的な知識・指導力を獲得する講習会である。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会、(公財)日本スポーツ協会 |
共催 | 都道府県サッカー協会 |
受講資格 | 2018年4月1日現在、満22歳以上であること C級コーチライセンスを有すること ※取得予定の方は受講できません。 |
定員 | 264名(24名×11コース) |
受講料 | 108,000円(税込) |
カリキュラム | 【前期:専門科目】 6日間—実技(21時間)、講義(13時間)、筆記試験など 【後期:専門科目】 6日間—実技(23.5時間)、講義(5.5時間)、口頭試験、筆記試験 【共通科目】 トレーニング科学、医学、スポーツの社会科学、心理学など ・講義は全てEラーニングで行う |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認コーチ |
AFC指導者 ライセンス 互換性 | AFC B-License |
年間登録料 | 5,000円 |
公認A級コーチジェネラル
個人的には、B級コーチからA級コーチを受講するには大きなハードルがあるように感じています。
指導者としてのレベルはもちろん、地域への貢献度、将来性、B級コーチ受講時の評価などを加味された中で受講生が決まる。また受講のためのトライアル試験などもB級以上で実施されている。
全国レベルの選手たちを指導できること、都道府県でリーダー的存在になる指導者の要請を行うコースとなっている。
筆者もいつかは取得したいと考えている。
※A級にはU-12、U-15の各カテゴリーのスペシャリストを養成するコースもある。
今回は内容を割愛させていたいただきます。
概要 | コーチング能力のレベルアップを目的に、「専門科目」では受講者が2人1組になり、設定されたテーマに沿ってトレーニング内容を構築、実際に指導を行うカリキュラムになっている。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会、(公財)日本スポーツ協会 |
共催 | 都道府県サッカー協会 |
受講資格 | B級コーチライセンスを有し、B級コーチ養成講習会受講後、1年以上の指導実績を有する者 B級コーチ養成講習会受講時の成績を参考にします |
受講者選考 方法 | 各推薦団体からの推薦による ※地域サッカー協会等にてトライアル実施 受講枠は開催コース数により変動 |
定員 | 144名(24名×6コース) |
受講料 | 162,000円(税込) |
カリキュラム | 【前期:専門科目】 6日間—コミュニケーションスキル、コンディショニング 、トレーニング構築のプランニングなど 【中期:専門科目・共通科目】 6日間—指導実践、心理、メディカルなど 【後期:専門科目】 6日間—指導実践 |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認上級コーチ |
AFC指導者 ライセンス 互換性 | AFC A-License |
年間登録料 | 5,000円 |
公認S級コーチ
2018年度のデータでいうと、指導者登録者数83,500名ほどに対して、S級コーチは488名のみ。
取得者は全体の0.6%にしか過ぎない。どれだけ狭き門かがこの数値から理解できるだろう。
プロ選手を指導できる指導者を養成すると同時に日本のリーダーとなれる存在を養成するコース。
職業をプロ指導者(Jリーグ)とするには必要なライセンスとなる。
選び抜かれた人しか受講はできない。
日本サッカーライセンスの最高峰と言える。
概要 | 疑似チームを指揮する指導実践以外にも、マネジメント・折衝術の獲得などを目的とした多様なカリキュラムが設定され、受講者にはより高度な問題発見能力、解決能力が求められる。 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会、(公財)日本スポーツ協会 |
受講資格 | 1年以上の指導経験があり、次の事項のいずれかを満たす指導者で、「2019年度S級コーチ養成講習会トライアル」に参加していること。 (1) 有効なJFA A級コーチジェネラルライセンス保有者 (2) 有効なUEFA-A、AFC-Aに相当するライセンス保有者 (3) 2018年度A級コーチジェネラル養成講習会受講者のうち、総合成績がSランク且つ国際Aマッチ20試合以上もしくはプロリーグ公式戦300試合以上の出場経験を有する者 |
受講者選考 方法 | JFA主催のトライアルを実施 ※指導実践、面談 成績優秀者の中から選考 |
定員 | 15~20名 |
受講料 | 324,000円(税込) |
カリキュラム | 【Module1】 国内短期講習会(6日間)、国内集中講習会(4日間×2週間) 【Module2】 国内集中講習会(4日間×3週間) 【Module3】 国内短期講習会(4日間)、国内集中講習会(4日間×2週間) 【Module4】 国内集中講習会(4日間×4週間) 【Module5】 国内集中講習会(4日間)、指導実践試験(4日間) 【指導実践試験】 4日間 【インターンシップ】 3週間-海外プログラム(2週間以上)、Jクラブ(1週間以上)の実施研修後、レポート提出 |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認上級コーチ |
AFC指導者 ライセンス 互換性 | AFC Pro-Diploma |
年間登録料 | 10,000円 |
GK
サッカーにおけるGK専門のライセンスが整備されている。
特殊なポジションだからこそ、専門で指導できるように養成講習会が開催されている。
GKは全部で3階層となっている。
公認GK-C級コーチ
U-12年代のGK指導ができるようにカリキュラムは組まれいる。
筆者も凄く興味があるライセンス。しかし、詳細は把握できていない。またU-12年代のGK指導ということはJFAとしてはU-12からGKという特殊ポジションに対して専門性の指導を入れるべきという見解と認識している。ひと昔前まではGKは全員が経験するポジションというような表現をされている時期もあったように思う。
やはりそれだけ重要なポジションということなのだろう。
概要 | 4日間―講義(GK理論、コーチング法など)、実技(コーチングデモンストレーション)、指導実践 |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | C級コーチ以上のライセンスを有しており、ゴールキーパーの指導をしている者 |
定員 | 270名(30名×9コース) |
受講料 | 32,400円(税込) |
ここで注目しないといけないのは受験資格である。そこには「C級コーチ以上」という文字がある。
つまり、C級コーチを取得していないとGK-C級は受講できないということである。
これは、後に紹介するフットサル指導ライセンスも同様である。
これが、先に述べた日本フットボール界におけるライセンス制度の根幹と表現した理由です。
公認GK-B級コーチ
U-18年代のGKを指導できる指導者を養成するコース。より高い専門性が求められる。
またサッカーB級を取得していることが条件となるため、お父さんコーチのようなボランティアコーチが受講することは少なく、指導者として生計を立ている人の割合が多くなる。
概要 | 5日間―講義(GK理論、GKの一貫指導など)、実技(講師デモンストレーション)、指導実践、筆記・口頭試験など |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | B級コーチライセンスかつゴールキーパーC級コーチライセンスを有しており、ゴールキーパーの指導をしている者 |
定員 | 30名×2コース |
受講料 | 48,600円(税込) |
公認GK-A級コーチ
大学・プロを指導できる指導者を養成するコース。GKライセンスの最高峰。
前期・後期と分かれ、学ぶボリュームが非常に多くなる。また年間で1コースしか開催されないので受講できる人は限られている。
日本のGK指導者としてリーダーになる見込みがある人が集う講習会となる。
概要 | 【前期】 6日間―講義(GK理論、プレー分析、メディカル、心理学、フィジカルなど)、実技、指導実践 【後期】 3日間―指導実践、グループワーク、筆記試験など |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | B級コーチライセンス以上、なおかつゴールキーパーB級コーチライセンスを有しており、ゴールキーパーの指導をしている者 |
定員 | 24名 |
受講料 | 75,600円(税込) |
フットサル
筆者は現在フットサルを専門に指導していることもあり、フットサルライセンスについては精通している分野である。
こちらの講習会から多くのことを学び、今の指導に活きていることは言うまでもない。
少しでも興味がある方は是非受講をオススメする内容となっている。
公認フットサルC級コーチ
フットサルの基礎知識を学ぶ。フットサルに対する知識、経験が浅い初級者、または初心者の選手を対象に指導できる指導者を養成するコース。
概要 | 実技(ピヴォ攻撃、セットプレー、指導実践など)、講義(指導法、基本技術戦術など) |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | JFA(サッカー)C級コーチライセンス以上を保有していること 指導の現場を有していること、またはこれから指導を行う予定であること |
定員 | 各コース20名 |
受講料 | 25,812円(税込) |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認指導員 |
年間登録料 | 5,000円 |
公認フットサルB級コーチ
筆者は2017年に取得したが、とても濃厚な内容だったことを思い出す。
より専門的にフットサルを深掘りしていき、4局面の理解と共にメソッド理論ではインテグラルトレーニングについて学ぶ。
これが非常に難易度が高く、苦戦する受講生は多いと予想されます。
全国レベルの選手(特にU-15)を指導することを対象としているだけあり、フットサルで起こるほぼ全ての局面に対して実技が行われる。
また前期・後期で7日間ずつと非常にハードな内容となっている。
概要 | 【前期:専門科目】 7日間-コミュニケーションスキル、守備理論、指導法、メソッド理論、フィジカル、GK、指導実践など 【後期:専門科目】 7日間-攻撃理論、特殊局面、チームマネジメント、教育心理学、指導実践など 【共通科目】 トレーニング科学、医学、スポーツの社会科学、心理学など ・講義は全てEラーニングで行う |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | 公認フットサルC級ライセンスを保有していること。 フットサルを指導していること。 将来、フットサルC級講習会のインストラクターとして活動が見込めること。 都道府県サッカー協会・日本フットサル連盟・日本フットサルリーグ・JFAのいずれかの推薦を受けていること。 |
定員 | 各コース20名 |
受講料 | 92,664円(税込) |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認コーチ |
年間登録料 | 5,000円 |
公認フットサルA級コーチ
2019年現在、フットサルライセンスとしては最高位の位置付け。
今後、 JFAとしてはフットサルS級コーチの創設は視野に入れているようである。また都道府県リーグ、地域リーグ、Fリーグの監督、コーチにそれぞれライセンス取得が義務付けられるようになってきている。
本コースは、C級、B級で学んだ内容を加味した中で、自身の”プレーモデルを構築“することが求められる。
自身が思い描く”フットサル”というものを形作るために重要な内容となっている。
また地域、都道府県の指導者リーダーとなる指導者を養成するコースとなる。
概要 | 【【前期:専門科目】 5日間-コミュニケーションスキル、セットプレー、定位置攻守、特殊局面、トランジション攻守など 【中期:専門科目】 5日間-フィジカル理論、スカウティング、プランニング、指導実践など 【後期:専門科目・共通科目】 5日間-フィジカル実技、GK、医学、心理学、社会学、栄養学、プレゼンスキル、指導実践など |
主催・主管 | (公財)日本サッカー協会 |
受講資格 | 公認フットサルB級ライセンスを保有していること。 フットサルを専門的に指導していること。 JFAが指定する先に宿泊し、全日程における講義・実技を受講すること。 JFAの強化、育成、指導者養成事業への協力が見込めること。 |
定員 | 20名 |
受講料 | 162,000円(税込) |
日本スポーツ 協会資格 | 日本スポーツ協会公認上級コーチ |
年間登録料 | 5,000円 |
日本における指導者ライセンスはサッカー、GK、フットサルと3種類あることがわかっていただけただろうか。
そして、全てのベースはサッカーC級コーチにあることもご理解いただけただろう。
現行のルールだと特例以外は、どんなキャリアであってもサッカーC級コーチから受講していき、上位ライセンスを順番に受講していく流れとなる。
今後、フットサルS級コーチ、フットサル専門のGKライセンスなどが創設されるのではないかと個人的には考えています。
ライセンスではある程度ターゲットとなる対象カテゴリーが明記されていますが、実際の各カテゴリーの特徴はどのようなものか自身の経験から考察してみたい。
指導経験から見える各カテゴリーの特徴
自身のフットボール指導者としてのキャリアは16年ほど。
その中で、4種、3種、2種、1種と全てのカテゴリーで指導させてもらってきました。
また、指導者や地域との交流から各カテゴリーの特徴など自分なりに整理してきましたので、簡単にまとめさせてもらいます。
4種年代における現状
日本がW杯に出場し、メディアが発展し、SNSが広がりを見せ始めたこの20年間で4種(ジュニア年代)の選手たちの環境が著しく変化したと思います。
あらゆるところで”世界基準”という言葉が現れ、TV、スマホ、PCがあればどこでも世界のサッカー、フットサルを見ることができる。
またそれに対する意見、分析、評論などしている方々がSNSで拡散する。”する”ことでしか獲得できなかったものが”みる”ことで知識やイメージを獲得できる時代になってきた。
それにより選手も自分が子供の時のように「走って、蹴って、なんぼの世界」から変化は見られるように思います。
とは言えまだそういったクラブはちらほらいるようです。良い悪いではなく、時代の流れに捉われず不変性を持っており、一種の信念なのかもしれません。
ただ、その中でも気になることは、指導者の質というところでしょう。
ジュニア年代のクラブは俗に言う「お父さんコーチ」、「ボランティアコーチ」に支えられて運営が成り立っていると感じています。
お金にならず、自身の子供が通っているから、子供は卒業したがクラブが好きだからなど気持ちの部分で指導者を手伝っている人が多数います。
そこには独学に近いもので今までの自身の経験から指導に落とし込んでいることが多いようです。
現代における小学生の父親となれば、30代〜40代半ばという時代。
要は著者の年代ということです。
自身の小学生の頃を考えれば、ボールに触れる時間も少なく、運動量も考慮されず、何となくのシュート練習、負ければ罰走などが当たり前の時代。
それな経験をしている父親世代が現代の子供たちに落とし込んでしまっていることもチラホラあるようです。
時代は流れています。
現代の小学生にあった指導法、関わりがあるはずです。そして、そもそもフットボールも進化しています。
そこ学ばなくては指導者としての成長はないでしょう。指導者が成長しないとチームの成長もないでしょう。そして、それを構成する一人一人の選手も成長はできないでしょう。
選手をロボット化させる、有無を言わせず従わせる、小さいな大人と勘違いしてハードに追い込みすぎる、、、まだまだ4種の指導現場にそのような課題は多くあるようです。
専門性が求められる2種・3種
2種(ユース年代)、3種(ジュニアユース年代)で求められるのはより高い専門性でしょう。
それはフットボールを広域範囲渡る見識を有していることはもちろんであるが、指導者に必要な多岐に渡る分野についても知識が必要になってきます。
トレーニング強度が上がる年代でもあるので、怪我のリスクは高まります。そこで医学、スポーツ科学、スポーツ心理学など体の作りを知ることも必要です。
フィジカルトレーニングも効果的に行われる年代でもあるので、トレーナーがいないクラブに関しては得ておかないといけない領域の知識でしょう。
また、絵を見て真似することで体で覚えてきた年代から、頭で理解して体を連動させる年代になってくることから言語技術、コミュニケーション能力など選手に的確に伝達するスキルも必要となります。
よって、お父さんコーチ、ボランティアコーチは徐々に少なくなり、職として携わる指導者の方が多くいる年代だと思います。
だからこそより学び指導者としての質が求められる年代なのだと思います。
選手管理能力が問われる1種
指導する対象は大人です。
様々な経験を積み重ね選手としての完成形となっている年代。よって、選手には意思があり、主張が出てくる。
それをどのようにマネジメントするかが指導者には求められる。もちろん、そのような選手たちが納得するような論理性と勝利へ貪欲なまでのこだわり、そして何より選手を成長させていく強い情熱を持った人でなくてはならない。
それが無ければ自分の経験から語ると1種の指導者としては適していないと断言できる。
よって、運営力、人間力が指導者として求められるのでしょう。
ライセンスの意味と役割
ここまでライセンス制度の概要と各年代の傾向を見てきた。
そこから見えてくるものとしては、ライセンスは資格ではあるが、必ずしも所持していないといけないわけでもない。
以前、とあるツイートが話題となった。
プロサッカー選手の本田圭佑選手のツイートである。これはまさにライセンス不要論を唱えたものであるように感じる。
選手として多くの経験を積んできた本田選手。海外経験も多くあり、多くの指導者に触れてきた。また、自身でスクール運営だけでなく、カンボジア代表の実質的な監督を現役選手ながら務めている。
これだけ世界の一線で経験を積んできたからこそ、ライセンスが無くてもプロの監督にはおそらくなれるのだろう。
また、「プロ」をどう捉えるかも重要である。
筆者は、S級コーチのライセンスを取得してはいないがフットボール指導者を生業としている。
これは人によっては「プロ」と捉えることもあるだろう。
切り口によってはライセンスが無くても既に「プロ」にはなれるという見解もできるわけである。
しかし、筆者のような一般レベルの人たちは、経験値が浅いからこそ、指導者とは何かを学び、フットボールの本質を学び、指導方法、トレーニングメソッドを学ぶ必要がある。
そして、ライセンスを取得することで、自身の成長の証となったり、学んだことにより自信に繋がるものだと考えています。
それにより「さらに上へ」というモチベーションや向上心を生み出すものにもなります。
また、自身の経験から言わせていただくと、ライセンス取得に向けて同じ志を持って学んだ受講生との出会いは一生の宝となるものです。
多くの刺激を受け、地域、チームという垣根を越え、フットボールファミリーとして関わり続けることが実はライセンスよりもとても大切なことなのかもしれません。
ライセンス取得は、ある領域(Jリーグ監督、Fリーグ監督など)では必須の条件があります。
しかし、その領域も含め学びの場であり、日本全体の指導者の質を高めるものになっているのであると認識します。
大事なことは、多くの実績を積んでいる人も、一般レベルの人も、ボランティアの人も自身の成長の場としてライセンス(講習会)があるということなのだと思う。
指導者の成長がチームの成長に繋がり、それを構成する選手の成長に寄与することは明らかなことである。
まとめ
日本フットボール界におけるライセンス制度を筆者の見解も含め述べてきました。
まとめると以下の要点となります。
・日本フットボールライセンスは、サッカー、GK、フットサルの3種類である。
・各カテゴリーを対象にして細分化されている。
・ライセンス(講習会)は、資格でもあり、学びの場である。
指導者は成長し続けないといけない。
選手を成長させるには指導者の成長は不可欠である。
最後に、指導者であれば誰もが聞いたことがある言葉で締めくくりたいと思う。
学ぶことを辞めたら、教えることを辞めなくてはならない。
ロジェ・ルメール(元フランス代表監督)
以上、お読みいただきありがとうございました。
コメント